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お味噌の科学・麹の不思議

お味噌は、麹と大豆と塩を混ぜて作ります。
その3つだけで造ります。
もちろん、麹と大豆と塩を混ぜただけでは、お味噌の味にはなりません。

どうしたら、お味噌は、お味噌の味になるのでしょうか。

それは、たぶん自然の力、微生物の力です。

ふつう、お味噌は3か月から1年ぐらいの長い時間をかけてお味噌になります。
その間になにが起こるのでしょうか。

お味噌の中の微生物が、休みなく活躍するのです。

1. 麹の中の麹菌が、大豆や米のタンパク質、脂質、炭水化物を分解します。
麹菌は炭水化物は、糖分に変え、お味噌の甘味や乳酸菌・酵母の餌に変わります。
その他、たんぱく質をアミノ酸に変えます。お味噌の旨味を作ります。
2.

空気中や麹についていた酵母や乳酸菌が糖分(麹菌が作ったもの)を餌に集まります。
乳酸菌は、酸を作り、お味噌の味を引き締めるとともに、雑菌の増殖を抑えます。
酵母もまた、糖分を餌にして味噌の香りや風味を作ります。


このように麹菌、乳酸菌、酵母によって美味しいお味噌は作られるのです。


ですから、お味噌は、麹・大豆・塩の割合。その他、気温が変わっただけでも同じお味噌は作れないのです。

たとえば、気温ですが、もし 麹・大豆・塩の混ぜたものを15度以下の中においておいたら、いつまでたっても変化しません。塩漬け麹入り大豆のままです。

これは、麹菌が15度以下の気温では働かないからです。
麹の好きな温度は、20度(15度以上なら働くそうです。)〜25度といわれています。

これは、余談ですが、私はその麹菌が好きな温度を読んだ時、なぜ甘酒は、60度で保温するのかという疑問がわきました。

私は、甘酒ができる温度が一番麹の好きな温度だと思っていたのです。

ですが、60度は、麹菌のでんぷんを糖分にする働きだけを最大に利用する温度だったのです。実は60度という温度では、麹菌は死んでしまうそうです。

ただし麹菌が作る酵素アミラーゼは60度の温度が一番働きやすく。麹菌は死んでしまうのですが、アミラーゼは働き続けるそうです。乳酸菌は生きていられる温度ですが、酵母も活動できないのです。

お味噌でも麹を大豆の倍ぐらい入れ、50度ぐらいの温度で保温して10日ぐらいの短時間で造るお味噌もあります。とても甘いお味噌で、おいしいそうです。


塩の量に関しても不思議です。

普通、微生物は、塩が嫌いです。ですから、塩の中では、ほとんど働きません。ところが、麹菌、乳酸菌、酵母は、塩があっても活動できるのです。

話に聞くと5%ぐらいの塩の量が麹菌は一番働きやすいそうです。そして25%以上になると働けなくなるそうです。つまり、塩を25%以上入れると気温が15度以下と同じで塩漬け大豆のままです。

もちろん、お味噌を作る場合は、少なくとも塩は、11%以上入れることをお勧めします。
今の話を聞けば5%がいいと思うのです。が、しかし5%でも出来ないことはないですが、5%だと雑菌が繁殖する可能性もあり,あまりお勧めできません。

たまにすっぱいお味噌ができるときがあります。その原因の多くは、塩の量が少なかったせいです。


麹で作れるもの

お味噌に関しては、手軽に作れるし、長くても一年ぐらいなので年毎に造る人がふえています。

なぜ増えているかというとは、家で造るお味噌は、確実に美味しいからです。

そして、安心だからです。自分で造れば、何がはいっているか、はっきりわかります。


その他、麹で作れるものを考えると、ほとんど日本の食卓に並ぶものです。
たとえば、醤油。 それからお酢、日本酒、味醂。これだけでも、食卓にかかせないものです。

このうち、醤油やお酢は、年月もかかるし、麹から自分で造る人は、少ないです。お酒は国から造るのを禁止されています。



麹甘酒・塩麹


お味噌以外で、一般に造られるものというと甘酒でしょう。

米麹で造る甘酒は、1日でできます。砂糖も入れずに甘いと言うことに感動すらあります。

べったら漬け、麹漬け。結構、これも有名です。簡単にいえば、甘酒をかたくつくる(甘酒の素)。これを床にして大根などをつけるのです。

この間、スーパーに行ったら、三五八漬けの床というのがありました。塩3、米麹5、米8という割合の床だそうです。ここにきゅうりとか野菜を漬けるのです。

後、漬けると言えば、魚を漬けるのも麹は有名です。私自身は、余った鮭の切り身を漬けてみたぐらいですが、魚を漬ける話もよく聞きます。そうそうイカの塩辛も麹を入れると一味違います。

最近は、塩麹というのが、漫画やテレビで紹介されました。これは、 三五八漬けとほとんど変わりません。ただし、お米は、混ぜません。米麹と塩で作ります。三五八漬け同様、この塩麹に野菜や魚を漬け込みます。

ただ、最近気づいたのですが、塩麹は調味料としても使うようです。そこのところで三五八とは違うのでしょう。
このところ、テレビなどでよく紹介されます。確かにテレビを見て、刺身に塩麹をつけて食べたら美味しかったです。麹を売っているのに勉強不足でした。

調味料で思い出しましたが、中華料理にチュウニャンというのがあります。これは、甘酒に似ています。正確には、造り方が違うのですが、甘酒で代用もできます。海老チリなどに入れたりします。

今年(平成12年)は、麹のブームでした。塩麹に始まり、醤油麹、麹ドリンク、麹ジャムと、麹を売っているものでもはじめて聞くような名前のものが出てきました。



麹で造る天然酵母


最近、凝っているのが、麹で作る饅頭です。なかなかうまく造れず、膨らまないこともあり、さめるとかたくなってしまいますが、自分が造った天然酵母でパンや饅頭を造るのは、楽しいです。
酵母の作り方は、米麹とご飯をまぜ(量は1対1ぐらいでまぜます。かなりいいかげんです。もっと米麹が少なくてもいいかもしれません。)、水をその量の倍ぐらい入れて、2,3日置いておきます。風通しの良い暗いところがいいです。
1日に1回かき回します。
温度にもよりますが、夏は、2,3日であわが出てきます。(冬でも30度ぐらいの温度が必要です。直射日光は、あてない。)もちろん、このまま、放置すれば、お酒になってしまいます。まだまだ研究中で一番いい頃は、はっきり断言できないのですが、とりあえず、炭酸水のように泡がでてきたら、その中に同じくらいの小麦粉を入れてかき回しておきます。そうすると、また2時間から5時間ぐらいでサイダーのように泡がでます。その出来たものを酵母として利用すると膨らみます。まだまだ失敗することも多いですが。

天然酵母をただ作りたいのなら、麹もいいですが、葡萄もお奨めです。私は、葡萄でもよく酵母を作ります。作り方は、麹とほとんど同じです。

先日、小麦粉だけで天然酵母を起こし、パンを作るという本を読みました。小麦粉だけで作るパンは、麹で作る酵母より純粋な感じがしていかにもおいしそうでした。

 
麹やお味噌造り役に立つ本の紹介→麹の本、お味噌の本